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ゆるい南仏のなかでもさらにゆるい裏坂東(ル・ラヴァンドゥ)で暮らす怠け者達 リカールと51の日記。


by ricard51

相馬と南相馬に行ってきた

相馬に友人と共に行ってきた。
もちろん、少しばかりだが援助物資を積んで。

最初は友人の先輩の家。
すぐ後ろまで津波が来ていたそうで、
西の山側の友人宅に行く途中に、津波によって運ばれた瓦礫が
農地に入ってきたのを見ることになった。
下の土がえぐられているのだろう。道の脇も歪んでいた。

相馬と南相馬に行ってきた_d0024242_23364423.jpg
友人宅のネコが迎えてくれた。

友人の家は相馬市中心街から山に向かった所にある。
黒木諏訪神社という神社のすぐ近く。
かなり山側なので、津波は心配ない。
被害は瓦が少し、蔵の壁、塀の1部が倒れた程度。
もちろん中の物は散乱したそうだし、食器もすこしは、だそうだ。
彼から聞いた話では、
そこの神社まで津波で舟が流れてきたという伝説があるそうだ。
彼らが本気で信じていた、わけではないらしいが、
今回の震災で本当の話だったと思ったそうだ。
その伝説、いつの時代か判らないそうで、
869年の貞観三陸地震か、その前か?
いずれにしても伝説になった津波があったのは事実だろう。

彼が海のほうを見たいというので、一緒に。
テレビとかで見てはいたが、実際に見ると衝撃的だ。
彼が、知り合いの家がこの辺りに、とかここでイチゴ狩りしたよね、とか
ようやく道だけが通ったところを走って、最後は途中で通行止め。
これだけの瓦礫となると、かなりの重機が動いていても
焼け石に水の状態で、かなりの時間が掛かるだろう。
彼の話では、浜の人は強いので、自分以上に働いているとのこと。
目の前のことに一生懸命になれる人達なのだろう。
彼も含め、きっと復興できる、と思えてくる。
やはり彼も強い、と思ってしまう。
そのためにも、僕ら回りからのバックアップを
切らさないことが重要だと思う。

最後は友人の知り合いの南相馬のお宅に行く。
そこは屋内退避の区域。
実際の放射線量は内陸より低かったりするのだが……。
南相馬は区域の指定を受けてから、物資が届きにくい地域。
ガソリンも先日まで手に入らなかったそうで、
ほとんどの店が開いてないから、基本的な生活が危機に瀕してる。
そのお宅は、寝たきりのお年寄りがいるので、避難所に行くことも難しいそうで、
すぐそこに命の危険がないかぎり逃げることは厳しい状態だ。
今はガソリンも満タンで、逃げることも可能だし。
相馬まで買い物にも行けるそうだが、なにしろ屋内退避。
買い物、病院、すべてぎりぎりまで我慢の状態。
たまに配給があるそうだが、それで賄えるほどの量は無いそうで、
少しはマシになったが、卵1個(1家族で)という日もあったそうだ。
近所の家で譲り合ったりしているようだが、いつまでも持つわけではない。
店で買えない以上、大量の物資の配給が必要だが、
家の前に車を置いておいても、在宅確認も来てない状態だそうだ。
基本的に人も物資も足らないのが現状のようである。
それでも彼らはいいほうで、車があるから最悪は避けることが出来る。
友人達も頼れるから、そのときは頼むね、と笑っていた。


私達が今回行ったのは友人、知り合いのところだけ。
津波の被害の無い、被害の少ない所。
すべての家庭でいえることは、皆が落ち着いていること。
無理な行動をさけて、近所や友人達と連絡を取り情報を得ている。
何かの時には逃げるのも辞さないだろうが、
そう簡単に行けるような状況ではないのが現状だ。

目下の問題は、福島市と違って物流の拠点が壊滅だったり
屋内退避で基本的な生活が、かなり不便な状態になっている。
それだけに相馬市はボランティアを独自に募集しているし
南相馬は物資やボランテアを独自に募集している。
(現在は個人からの物資は断っている状態だそうです)
福島市でも独自に物資を集め運んでいる所が出てきた。
県などの行政に頼っていては間に合わないほどなのだろう。
特に南相馬市は空き巣が増えているそうで、
心配になって戻って来る人も増えているらしい。
そうなると物資は足らなくなる一方だろう。
それと金銭的な問題も大きい。
かなりの会社が動いてないので、自宅待機、給料も止まったまま。
隣町まで買い物にいくガソリンだってばかにならない。
自力で避難すれば、かなりの出費、避難所はいっぱいだし
自力での生活は不可能に近いだろう。
もちろん高齢の家族の移動、受け入れ先は厳しいだろう。

とにかく南相馬への支援は、長期に必要だろう。
特に避難所では洗濯しても外で乾かせないから、下着には困るだろうし
食料に関しては、避難所も各家庭も必要だ。
いくらあっても足りないのが現状だろう。
ただし各家庭に宅配便で、というのは不可能だ。
相馬市の局留めになるので、現状では各自が取りに行くことになる。
そうなるとガソリンが、となってしまう。
相馬市の物資が豊富になって、買いに行ったほうが現実的だ。
どちらにしてもお金がネックになる。
やはり少しでも長い期間の食料支援がいいと思うのだが、
その辺は、各市のHPや、ボランティア団体等のアナウンスを見て欲しい。
日に日に変わる状況を確認して、現地の望むものをよろしくです。

南相馬市
http://www.city.minamisoma.lg.jp/i/
相馬市ボランティアセンター
http://d.hatena.ne.jp/somasaigai/

他にも行政とは別に運んでいるところがあります。
そういった所に援助するのも、いいのではと思います。

相馬と南相馬に行ってきた_d0024242_23375238.jpg

何気ない日常の風景ですが、小高いところの先は避難地域
by ricard51 | 2011-04-03 23:38 | 報告